共通テスト

2021年1月から実施された「大学入学共通テスト 現代文」についてのページです。
「現代文の直前チェック」のPDFは、このページの下段にあります。

(2025年12月現在の記事です)
共通テストもすでに施行されて5年が経過しましたが、2025年1月にいわゆる「実用的文章」「実用国語」の問題が第3問として現代文に加わり、解答時間も90分に変更されました。大学入試において「実用」を求めるということの意味は、2014年あたりの「職業教育」というスローガンに象徴されるような実学志向、少なくとも基礎研究や人文学の軽視などと通底する動向かと思われますが、ここではその是非を問いません。受験生にとっては、出題される以上、致し方のない現実ですから。

とにかく、新規第3問(以下、「実用国語」と呼ぶ)の追加で解答時間が10分しか増えず、大学入試センターは他の4大問の選択肢を5択から4択へと減じたことで、時間の調整をしました。(これによって選択肢による学力判定の精度が著しく低下したことは間違いないでしょう)。

さて、時間配分ですが、4大問は論理的文章(近代以降の評論)・文学的文章(近代以降の小説)・古文・漢文が、かつての80分/4=20分平均から少し減って、単純計算で19分平均とすれば、実用国語は14分平均ということになります。もちろん個人差があるのは分かりますので、これはあくまでも目安です。ただ、もともと学力テストというものは、大学入試に限らず、時間制限があるのが当然であり、これは学力が時間の関数であることを意味しています。つまり、「速く解く能力」も学力のうちなのであり、「時間が足りない」「早く読み解くコツが知りたい」などと考えるのは間違っています。現代文の基礎学力があれば、共通テストは時間内で読み解けます。大変難しい問題は出題されませんから、どんなに遅くとも評論は25分以内、実用国語は15分以内に読み解きを終えるべきです。そうでなければ、小説・古文・漢文に悪影響が出ます。時間配分は意識的かつ合理的に行いましょう。

大問ごとの注意事項を記します。評論・小説は、実用国語が加わったこともあり、奇異な設問は減り、かつてのセンター試験に近づくものと思われます。それでも、複数の文章、対話型、要約図式と空欄、表現の修正などの設問は出題されると思っておいた方がよいでしょう。共通テストおよびセンター試験の過去問題で反復的に練習をしましょう。

実用国語については、「文章」、「図表・文章資料」、「設問と選択肢」という3者の関係性をつかんで効率的に解くことが重要です。単純に「よく読む」とか「資料をいちいち見て、選択肢の正誤判定をする」といった非効率的なことをやっていては、14分どころか20分以上かかるでしょう。そして、大学入試センター側の出題意図やテスト作成法が正しく理解できていない模擬問題などを解くことはやめましょう。本物が解けなくなります。かならず2025年度の本試験・追再試験、および、大学入試センターによる試作問題ABを用いて、正解の作られ方まで意識し、効率的に解くことを目指して繰り返し解答練習を行いましょう。より詳しくは、下記のリンクから「直前チェック」のレジュメを参照してください。

☆2025年12月 大学入学共通テスト 現代文の「直前チェック」のPDFはこちら。


☆2025年1月 大学入学共通テスト現代文の「直前チェック項目」のPDFはこちら。

2024年1月、大学入学共通テスト現代文の「直前チェック」のPDFはこちら。

☆2023年1月、大学入学共通テスト現代文の「注意事項 レジュメ」のPDFはこちら

☆2022年1月、大学入学共通テスト現代文の「解答法まとめ」のレジュメPDFはこちら。

☆2021年1月実施の大学入学共通テスト現代文の「特質の予想と対策」のレジュメPDFはこちら

2021年1月の大学入学共通テスト本試験の実施に先立ち、2018年11月に大学入試センターが作成・実施した「試行調査(プレテスト)」の問題があります。ここでは、その簡単な分析を通して、共通テスト対策の方向性を考えてみます。(「分析と共通テスト対策」PDFはこちら