共通テスト

従来の大学入試センター試験に替わり,2020年度(2021年1月)から実施される新テスト「大学入学共通テスト」についてのページです。


☆2024年1月、大学入学共通テスト現代文の「直前チェック」のPDFはこちら。

☆2023年1月、大学入学共通テスト現代文の「注意事項 レジュメ」のPDFはこちら

☆2022年1月、大学入学共通テスト現代文の「解答法まとめ」のレジュメPDFはこちら。

☆2021年1月実施の大学入学共通テスト現代文の「特質の予想と対策」のレジュメPDFはこちら

2021年1月の大学入学共通テスト本試験の実施に先立ち、2018年11月に大学入試センターが作成・実施した「試行調査(プレテスト)」の問題があります。ここでは、その簡単な分析を通して、共通テスト対策の方向性を考えてみます。(「分析と共通テスト対策」PDFはこちら

2018年11月の試行調査実施当時は、まだ共通テストの国語に記述式問題を導入するという前提がありました。没案となって当然であった記述式問題の導入ではありますが、当時は「国語は大問5題(実用的文章・論理的文章(記述式)、論理的文章・実用的文章(マーク式、以下同様)、文学的文章、古文、漢文)」で計100分という設定でした。そのうち記述式の第1問は30分実施を想定し、他のマーク式4大問は約70分となります。現代文が3題ですから、第2・第3問で30分(~35分)、古典が(35分~)40分配分となるでしょう。試行調査問題の選択肢が短く単純なのは、そういう物理的な時間的限界(現代文2題で30分~35分まで)による、やむなき対応にすぎないでしょう。決して新しい学力云々といったボジティヴな意味があるわけではありません。これだけを見ても、センター試験から共通テストへの移行は、設問水準の劣化・改悪であったことが分かります。そして、記述式問題の導入が見送られ、国語の試験時間が従来のセンター試験と同様の80分と修正された以上、70分実施予定であった試行調査問題をそのまま80分実施である2021年1月の本試験モデルと考えることは危険であるということにもなります。少なくとも、試行調査問題をモデルにして後は想像で作ったような「現代文予想問題」などは鵜呑みにできません。大学入学共通テストの現代文本試験問題は、試行調査問題よりは難化すると見ておくほうがよいでしょう。というわけで、試行調査のモデル問題を分析するとともに、今後の対策としては、センター試験水準の良問、すなわちセンター試験の過去問題を解くにしくはなし、と考えます。もちろんどうしても「複数の図表や実用的文章の資料などを伴う論理的【文章】」で作成した模擬問題による練習は、ある程度やらざるをえないでしょうが、それは大学入試センターの作った試行調査問題を解いてみる、模試を受ける、予備校で模擬教材を用いた授業を数回受講するなどで十分でしょう。そういう「傾向対策」よりも、基礎となる【文章】の客観的な読解法の習得や、設問の論理的な解答法の習得が、大学入試対策としては大前提です。文章を正しく読み、設問に正しく答える能力を養わずに、未知のテストの傾向ばかり気にしていても無意味でしょう。なお、センター試験の過去問題を解く際には、ただ時間を計ってテストのように解いて答え合わせをしていても学力は伸びません。最初は時間を延長してもいいですから、本文の客観的な読解作業、設問の論理的な解答作業を意識的に行う。選択肢は消去法によらず、記述解答を自分が書くというつもりで、解答の構文や内容上のキーワードなど「正しい解答であるための必要条件」をなるべく多く意識して選択肢を絞り込む、つまりは「書くように選ぶ」ことを実践しましょう。実際に解答を書いてみて、正解と比べて一致点と不一致点とを考えるという学習法が、さらに基礎力をのばしてくれるでしょう。